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カリフォルニアのリアルなクルマ事情

 

カリフォルニア工務店、LAブランチのYusukeです。

東京で暮らしていた自分が、どうしてカリフォルニアに移住したのか?

実際のカリフォルニアでのライフスタイルから感じる事、

日本で体現できるカリフォルニア的ライフスタイルなど、

様々な情報をお伝えしていきます。

 

さて、今回はクルマの話です。

 

皆さんは、クルマとどんな関係を持っていますか?

 

都心で暮らしていれば、電車やバスなどの公共交通機関で全ての移動ができるので

クルマは必要無い、という方も多いでしょう。

短距離移動なら自転車の方が健康にも良い! という考え方もあります。

 

しかし日々の活動の中で、クルマがなくては生活できない、という地域の方もいらっしゃるでしょうし、

元来クルマ好きで、No Car, No Life. というクルマ大好き人間の人もいるはず。

 

ボクもクルマ大好き人間の一人ですが、今回はそんな皆さんに向けて

リアルなカリフォルニアのクルマ事情をお話しします。

 

 

もちろんカリフォルニアでも都市部には電車やバスがありますが、基本はクルマので移動です。

ボクが暮らしているロサンジェルスの中でも、サウスベイと呼ばれる地域は、

1957年のTOYOTA USAの設立をはじめ、

その後もNISSAN、HONDAの米国上陸が続き、Japaneseブランドの礎を築いた場所。

 

今ではTOYOTAとNISSANは、それぞれテキサス州とテネシー州に本拠地を移しているけど、

それでもアメリカ西海岸からクオリティの高さを謳い、

日本車を世界の基準として、世界中に広めていったのがこの地。

 

 

そうした歴史もあって、カリフォルニア州はかなりの比率で日本車が多く、

感覚的には50 %強が日本のクルマ、という感じ。

ブランドではやはりTOYOTAがもっとも台数が多く、

HONDA、MAZDA、NISSAN、SUBARUが続くというイメージ。

 

もちろんアメリカなのでアメ車もかなりの数が走っているけど、

他州と比較すると、やはりカリフォルニアは日本車が強い。

 

アメ車はビッグ3のフォード、GM、クライスラー(現在はスティランティス)グループが

それぞれのポジションをキープ。

 

アメ車というくくりで見ると、ピックアップトラックが不動のポジションにいながら、

セダンモデルが、どんどんSUVに置き換わっているというイメージを受ける。

 

 

アメリカに限らず世界中SUVブームだけど、

そのムーブメントを考えると、アメリカはまだまだセダン需要が高いのも間違いない。

 

もちろんプレミアムカーのイメージは日本と同様にドイツのブランドが強い。

BMW、メルセデス・ベンツ、アウディ、VWも相当数が走っていて、

ドイツブランドに限っていえば、富裕層からの需要が高いようで、

中型から大型の高級モデルが中心という印象。

 

 

さらに韓国メーカーの躍進には驚かされる。

ヒュンダイ&キア・グループは、すでに日本車と同等の性能を達成しているし、

正直な感想では、10年ほど前までは、何かのコピー? というデザインが多かったのは否めないが、

直近3〜4年でリリースされてくる韓国車のデザインは、

実にアグレッシブでまとまりも良いと、個人的に感じている。

 

日本やヨーロッパなどの優れた開発者やデザイナーといった人材を集める手法で、

アメリカの顧客もしっかりと掴んでいるビジネスストラテジーはさすがだ。

 

 

TVやWeb上の広告展開もとても上手で、しっかりPRにお金をかけている感じが伝わってくる。

良いものは良いと認めて、足りない部分は他人の手を使った効率的なアウトソーシング、

ここは日本の全ての製造業の方や企業に、本当に学んで欲しいと切実に思う。

 

 

そしてもちろん忘れちゃならないのがEVの存在、

TESLAだ。

 

 

2005年にロータス・ベースのロードスターを発売してから現在まで、

実に450万台ものクルマを販売した実績を持つ。

ちなみにカリフォルニア州の現在の登録台数のトップはTESLA MODEL 3、

つづく2位はTESLA MODEL Yというのだから驚きだ。

実際に地元を走っていてもTESLAだらけで、

信号待ちで5台のTESLAに四方を囲まれるなんて事もある。

すでに日本の昭和バブル期の“BMW 3シリーズが六本木のカローラ”の比では無いのだ。

 

 

自分は全固体電池が理想スペック通りに実用化されるなど

よほどの事が無い限り、BEV(バッテリー式電気自動車)に乗る気はないけど、

周辺のTESLAに乗っている友人は、皆満足している。

毎晩家で充電してシティコミューターとして使えば、たしかに便利だろう。

ただし、自分的には海へ山へと、好きなタイミングでロード・トリップに出かけたいので、

基本はガソリンエンジン派。

この先もそれは変わらないだろう。

 

 

TESLAを追いかける新興EVメーカーにも注目したい。

ピックアップトラックやSUVに特化したRIVIANや

VOLVO傘下のEV専門メーカーであるPOLESTERは、

ともにクオリティの高いモデルをリリースし、徐々に街中で見かけるようになってきた。

 

 

一方、巷で “EVを取り巻く環境” と言われる充電施設の拡充だが、

こちらはそれほど急進している印象を受けない。

これほどまで大量のTESLAが売れているのにだ・・・

 

おそらく前述した通り、EVオーナーは基本的に自宅での充電をメインに考えていて、

公共のチャージングシステムを現在は必要としていないのが、その理由なのではないだろうか?

EV黎明期には公共のチャージャーが無料だった時期もあったが現在はほぼ有料。

そうなると、出先で充電するメリットや必要が無いというのが、

TESLAユーザーである友人談だ。

 

EVに関しては諸説諸々が存在するが、

ガソリンエンジン車が生涯で排出するCO2量より

バッテリーの生産及び廃棄時に、もっと大量のCO2を出しているEVの現実を考えると、

現在のBEVはエコカーどころか、完全なる環境汚染カーである、というのが自分の解釈。

 

世界中のEVに関わる自動車メーカーが

自社の都合や政治的方策でコロコロと指針転換を発表している中、

これからEVのポジションはどう変わっていくのだろう? 注目したい。

 

 

さて、カリフォルニアのクルマ事情に話しを戻すと、

上記を総合すると、LAではとにかくTESLAだらけというのが、紛れもない事実。

ただしそもそもクルマの台数が半端なく多い場所なので、

国別で比較するとTOYOTAを始めとした日本車勢が一番多いという事になるだろう。

 

 

 

カリフォルニアの一般的な住宅の場合、平均すると2台を室内ガレージに、

さらにその前のドライブウェイに2台のクルマを置けるパターンの家が多い。

このように、家にビルトイン・ガレージがあるのが一般的なので、

特にガレージに特化した家はほぼ無いのが実情だけど、

逆にクルマを入れるためだけでなく、

ガレージを上手に暮らしに活用しているライフスタイルは、

日本の住宅でも見習いたい。

 

 

 

では皆さん、まだまだ暑い暑い夏が続きますが、

本日も水分保有を忘れずに、安全運転で穏やかな一日を!

 

Have a wonderful day!

 

Yusuke Makino

カリフォルニア工務店LAブランチ

カリフォルニア・スタイル現地編集長